80 PLUS PLATINUM 電源



突然のリセット

デスクトップPC更改に向けてで述べたように、 2004年頃に組んだデスクトップPCを使っているのだが、 当初からPC使用中に突然リセットされてしまうことがあって困っていた。 かなりの頻度で発生したため、最初はかなり混乱したが、 徐々に発生条件が分かってきた。 それは、室温が20℃以下のとき、冷え切ったPCの電源を投入すると、 数分後にリセットがかかる、というものだった。 電源投入時のスピンアップ等、最も電力を必要とする時間は何ら問題ないので、 電源容量が足りないというわけではない。 冷え切っているときにのみ発生し、 しばらく使って PC が暖まっていれば発生しないので、 冷却が問題で熱暴走した、というわけではない。 また、リセットがかかるのが数分後なので、 電源投入後すぐにログオンして作業をしていると、 作業中にリセットされてしまう。 だからといって、 すぐログオンせずにログオン画面で放置していてもリセットされてしまう。 何とか回避策は無いものかと、いろいろ試していたところ、 Windows XP を起動させず、BIOS 画面を表示した状態にしておけば、 リセットがかからない、ということが分かった。 なので、電源投入後は、まず BIOS 画面にして、10 分以上放置してから、 Windows XP を起動すれば、被害にあわずに済むのだ。

原因

原因はよくわからないが、 恐らく、低温で電源ユニットの出力電圧が不安定になり、 基準値を下回った瞬間にリセットがかかってしまうのだろう。 OS 起動後は CPU にある程度の負荷がかかっていて、 電力を消費しており、電圧が下がりやすいのに対して、 BIOS 画面だと、コアが1つしか動いていないとか、 ほとんど HALT していて負荷が低いため、CPU の消費電力が少なく、 簡単には電圧が下がらず、リセットがかからないのだろう。 と思っているが、定かではないし、 もしかしたら電源ユニットの問題ではないのかもしれない。

対策

夏季は発生しないし、 冬季でも BIOS 画面でしばらくアイドリングしてから使えばよいので、 そのままでもよいといえばよいのだが、さすがに面倒くさいのは間違いない。 また、今後 Haswell 化を考えると、現行の ATX12V Ver1.x 電源では心もとなく、ATX12V Ver2.x 電源の方がよいと思う。 最近は静音だけでなく80 PLUSなる省エネの電源ユニットもあるという。 もし電源ユニットの問題ではないのなら、 電源ユニットを交換しても事象は収まらないだろうが、 どうせ Haswell 化の際には主要部品をすべて交換することになるので、 その時には収まってくれることだろう。 そこで、思い切って電源ユニットを交換してみることにした。

交換する電源ユニット

あちこちのレビューサイト等をみてまわり、最終的に購入したのは、 ENERMAX Platimax EPM600AWT だ。 80 PLUS PLATINUM 認証で省エネ、600W、プラグイン式で、静音な電源ユニットだ。 ハイエンドのグラフィックボードを搭載するつもりは無いので、本当は 500W の Platimax EPM500AWT でもよかったのかもしれないが、今後気が変わっても大丈夫なように、 また、デバイスを多数搭載しても平気なように、余裕を持たせることにした。

図1: EPM600AWT
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単体で動作チェック

今回、まず単体で動作チェックしてみるために、 プラスアップ ATX電源検証ボード RKM02A も併せて購入した。 これがあればマザーボードに接続せずに電源投入が可能だ。

図2: RKM02A
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静音

電源投入してみると、かなり静かだ。 無負荷なのでファンも低速回転で、ほとんど音がしない。 高負荷や高温時にどの程度の音がするのかは分からないが、 とりあえず手持ちのテスターで音の大きさを測ってみた。

図3: 音を測定中?
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図3左の写真では 34.3 dB、右の写真では 52.0 dB だ。 電源ONでもOFFでも測定値としては 30 台〜 50 台程度をフラフラしている。 測定したのは日中だったため、電源の音というよりは、 完全に外来の音の方が大きくて、 何を測定しているのか分からない状態だった。 というぐらい電源自体は音がしない。 深夜など、外来の音がほどんどしない時に測定すると違うのだろうが、 そこまでしていない。

電圧

RKM02A には、電圧チェック用のターミナルがついているので、 無負荷状態ではあるが、テスターで電圧を測ってみた。

図4: 電圧を測定
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図4のとおり、 左から 3.381 V, 5.12 V, 12.24 V である。 いずれも 5 % 以内の誤差なので、問題ないだろう。

さて、いよいよ電源の換装だが、 これは次の記事にしたいと思う。